PENTAX MEをレビュー!使い方やPENTAX MXとの比較も!
こんにちは!
Apple&カメラ大好き大学生のせぐです!
今回は、ペンタックスが1976年にオリンパスに対抗して作った小型カメラの名機であるPENTAX MEをレビューしようと思います!
なぜPENTAX MEを手に入れたの?
前回の記事では、PENTAX MEと同じシリーズで完全機械式カメラであるPENTAX MXをレビューしました。
前回ご紹介したPENTAX MXはカメラ屋さんで探して使える個体を手に入れたのですが、今回ご紹介するPENTAX MEは少し違います。
こちらのPENTAX MEは、某中古屋さんの青カゴから救済してきました。
ピカピカで外装に傷もなく、とても42年前のカメラには見えず、電池を入れれば露出計もしっかり動作します。
この機会をを逃したらこんなに状態のいい個体には二度と会えないだろうと思い、気づいたらカメラを持ってお店を出ていました。
PENTAX MEってどんなカメラ?
というわけで運良くて手に入れることができたPENTAX MEですが、こちらは絞り優先オート専門機となります。
前回ご紹介したPENTAX MXは完全機械式で、電池がなくても露出計が動かなくなるだけで撮影自体は可能です。
一方、今回ご紹介するPENTAX MEはボタン電池(LR44)がなければ基本的に動きません(1/100とバルブ撮影なら電池がなくても機械式として動きます)。
古いカメラには電子部品の劣化による故障がつきものなので、このPENTAX MEを手に入れる際はきちんと動作するか確認しましょう。
また、PENTAX MEの中古品としてよく見るのはレリーズボタン周辺のダイヤルのカバーが外れた個体です。
PENTAX MEでは基本的にはAUTOモードしか使わないと思うのであまり問題はありませんが、壊れている個体は避けたほうがよいでしょう。
PENTAX MXと比較
それでは、前回ご紹介したPENTAX MXと比較します。
前面
サイズ感はほとんど同じで、OLUMPUS OM-1に対抗して作られたこともあり、どちらもコンパクトです。
奥行きと高さは同じ寸法ですが、MEは横方向が4.5mm短くなっています。
これはシャッター幕の違いによるものだとされています。
※PENTAX MEのシャッター幕について
PENTAX MEのシャッターは電子式金属幕縦走行フォーカルプレーンシャッターとなっています。これは現在のカメラでも採用されているものです。
対してPENTAX MXではPENTAX SPと同様に機械式ゴム布幕横走行フォーカルプレーンシャッターとなっています。
したがってPENTAX MXでは横方向にシャッター幕が走るため、横方向の空間が多く必要となり、PENTAX MEでは縦方向にシャッター幕が走るため、横方向の空間は必要ありません。
このシャッター機構の違いによりMXとMEはサイズが異なっていると言われています。
後面
どちらも後ろ蓋にフィルムの箱を切り取って入れられる「メモホルダー」がついています。
両機の違いですが、ME(左)にはフィルム巻き上げレバー下に目盛りがあります。このオレンジ色の目盛りは、フィルムがうまくセットされた時に巻き上げると回転するようになっており、フィルム装填時のミスを防ぐようにできています。
軍幹部
続いて軍幹部です。
こちらはMEとMXで大きく異なっています。
MEの操作系については次節でも紹介しますが、絞り優先オート専用機であるためシャッタースピードを設定するダイヤルがありません。
またその都合から、MEではダイヤルが少ないためフィルム巻き上げレバーを収納する空間がありますが、MXではシャッタースピードダイヤルが邪魔でフィルム巻き上げレバーを完全に収納することができません。
底面
こちらは底面です。
両機ともほぼ同じ作りとなっており、どちらもモータードライブを装着するための接点(写真では底部右上)がついています。
また両機とも露出計の動作にボタン電池のLR44を二つ用います。
百均でも買える電池なので出先でも安心です。
また、電池がなくても1/100秒のシャッターかバルブ撮影ならレリーズ可能なので、最悪の手段として使えます。
PENTAX MEの使い方
それでは次にPENTAX MEの操作方法をご紹介します。
先述の通り、こちらのPENTAX MEは絞り優先オートでの撮影が基本となり、レンズ根元の絞りリングで絞り値を設定し、シャッタースピードは露出計で自動的に決められます。
露出補正&ISO感度設定ダイヤル
左の巻き上げクランク周辺にあるダイヤルは、露出補正ダイヤルとフィルムISO感度設定を兼ねたダイヤルです。
本機は露出計によるオート撮影が基本となるため、ISO感度を設定して露出計にシャッタースピードを計算してもらいます。そのためフィルムを装填したら、左のダイヤルを持ち上げながら回し、装填するフィルムのISO感度を設定します。
PENTAX MEの露出計は中央重点測光であるため、明暗差のある被写体では露出計が安定しません。そのため左のダイヤルをそのまま回すことで露出補正ができます。
1xは露出補正0という意味になり、2xと4xはそれぞれ露出補正+1と+2を意味します。1/2xと1/4xはそれぞれ露出補正-1と-2を意味します。
現在のカメラとは表記が異なりますが、露出について学んだことのある人ならこの表記の方が理に適っていることが分かると思います。
シャッター方式設定ダイヤル
正式名称はわかりませんが、レリーズボタンの周辺にあるダイヤルはシャッター方式を変えるダイヤルです。
写真では「AUTO」に設定してありますが、ほとんどの場合ではこのままで問題ないでしょう。内蔵露出計が絞り値に応じてシャッタースピードを選んでくれるモードです。
「L」はレリーズボタンのロックで、持ち運ぶ際の誤操作を防止するものです。
「100X」は機械式で1/100秒のシャッターを切るモードです。このモードでは電池が入っていなくてもシャッターを切ることができます。
「B」はバルブ撮影です。こちらも電池がなくともシャッターを切ることができます。
ファインダー表示と露出計
それではファインダー内の表示を見てみましょう。
写真ではゆがんでいますが、実際に覗くときちんと長方形になっています。
真ん中にある丸はスプリットスクリーンで、ピント合わせに役立ちます。
なお、PENTAX MXにあった絞り値の表示はPENTAX MEにはありません。絞り値はファインダーを覗く前に設定することになります。
左にある数字はシャッタースピードで、露出計の電源を入れると露出計の判断したシャッタースピードの脇に赤いLEDが点灯します。写真では1/125秒になっています。
PENTAX MEでは露出計の電源はレリーズボタンと連動しています。レリーズボタンの半押しで露出計がオンになりファインダー内のLEDが点灯します。
フィルム巻き上げレバーを予備角位置まで引き出した状態でレリーズボタンを半押しすると露出計がオンの状態でロックされ、レリーズボタンから指を離しても測光を続けます。
PENTAX MEは中央重点測光であるため、露出計をオンにした(巻き上げレバー予備角でレリーズ半押し)状態だとファインダー中央の被写体によってシャッタースピードがコロコロ変わります。
電池を入れた後にはこのようにして露出計のテストをすることができます。
PENTAX MEの使用感
さてPENTAX MEですが、金属製のボディとコンパクトなサイズのおかげで「精密な道具」感がすごいです。
私の手に入れた個体はかなり状態も良く、MXで感じた各動作の荒さは一切ありません。
ペンタックスのMシリーズは小型化に力を入れたため、各部品の精度や耐久性が犠牲になっているそうで、特に巻き上げ時の感覚なんかにざらつきが現れやすいように感じます。
しかし、私が手に入れたPENTAX MEは巻き上げの感覚がPENTAX KMやPENTAX SPと似ており、非常に滑らかに巻き上げることができます。
一部では安っぽいとも称されるシャッター音は「カシャコン」というコンパクトさを感じさせる音で、これはこれで軽快感さえ覚えます。
金属製ボディの剛性感と巻き上げの滑らかさ、そして大きなファインダー像を考えると、小さなボディでよくここまで作り上げたなと思います。
手のひらに収まる精密機械の量産を実現させた当時のペンタックスの開発陣には、賞賛の拍手を送りたいと思います。
まとめ
このPENTAX MEは、1976年にペンタックスがオリンパスに対抗して作ったとされるコンパクト一眼レフです。
コンパクトながらもしっかりとした金属製ボディや倍率0.95倍の大きなファインダー、そして露出計頼りのオート撮影など、簡単ながらも写真撮影の楽しさを教えてくれるカメラです。
デジタル一眼ではAPS-Cでもそれなりのサイズになってしまいますが、フィルムならフルサイズでもこのサイズに収まります。
ポジフィルムを使えばデジタルと同等の色再現性を引き出すこともできるフィルムカメラ。このコンパクトさでレンズのイメージサークルを生かしたフルサイズの写真を撮ることができるなら、1台持っていてもいいと思います。
出来上がった写真の美しさだけでなく、写真撮影自体の楽しさを味わいたい方にもオススメのPENTAX ME。よい状態の個体に巡り会えたら手元に置いておいて損はないでしょう。
現在はPENTAX MXにフィルムを通しているためしばらく使わないつもりですが、PENTAX MEにもフィルムを通してみたいと思います。
今度はモノクロネガでも使ってみようかしら。
それでは!
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