【カメラレビュー】完全機械式最小のカメラ!PENTAX MXをレビュー!
こんにちは!
Apple&カメラ大好き大学生のせぐです!
今回は先日手に入れたペンタックスの完全機械式カメラ、PENTAX MXをレビューします!
なぜPENTAX MXを手に入れたの?
私は過去記事にもあるように、今までPENTAX SPというフィルムカメラで撮影していました。
しかしこのPENTAX SPですが、フルメタルボディで意外と重く大きいため、あまり持ち出す気になりませんでした。
そこで気軽に持ち出せる、軽量でコンパクトなカメラが欲しかったのです。
白羽の矢が立ったのは、同じペンタックスで操作系が同じPENTAX MXでした。
PENTAX MXってどんなカメラ?
ペンタックスのフィルムカメラといえばPENTAX SPが有名かもしれません。あちらも電池を使わない完全機械式カメラですね。(露出計には電池を使います)
今回紹介するPENTAX MXも同じく、露出計には電池を使いますが、その他の機構(シャッターや巻き上げ)には電池を使わない「完全機械式カメラ」になります。
このPENTAX MXは、オリンパスが当時最小のカメラとして売り出していたOLYMPUS OM1に対抗するために、ペンタックスが1976年に発売したカメラです。
OM1と比べて各寸法がそれぞれ0.5mmずつ小さくなっているところに当時の開発者たちの情熱を感じます。
OLYMPUS OM1とPENTAX MXは、ともに玉数が現在でも豊富であり、中古カメラ店でも多く見ることができ、比較的安価に手に入れることが可能です。
OLYMPUS OM1との違い
ファインダー
私自身はOLYMPUS OM1を所有してはいませんが、カメラ屋さんで比べさせてもらったのでその感想を簡単に。
OM1は当時の設計者のこだわりにより50mmレンズ装着時に等倍(1.00倍)となるファインダーとなっています。
いまいちファインダー倍率の話をされても分かりづらいですが、ファインダー像が大きすぎ、フレーミングの際に四隅を確認するにはかなり目を動かさなければいけません。
それに比べてPENTAX MXのファインダーは50mmレンズ装着時に0.95倍となっており、OM1のファインダーほど大きくはありません。
しかしながらOM1と比べて控えめなファインダー倍率のおかげで視線の移動が少なく、フレーミングに集中できます。
そうは言っても、MXのファインダーは現在のフルサイズ一眼レフと比べてかなり大きく、ファインダーを覗いた時の迫力は筆舌に尽くし難いものとなっています。
操作体系
ファインダー以外にもPENTAX MXとPLYMPUS OM1は操作体系が異なっています。
OLYMPUSはもともとPENシリーズを生産していたこともあり、小型のカメラが得意でした。
しかし逆にいえば小型のカメラしか技術がなく、OM1のシャッターダイヤルにもそれが反映されています。
OM1のシャッタースピードの調節は、マウント部(レンズ根元)周辺のダイヤルで行います。
それに対してペンタックスはSPなどの一眼レフを生産していたこともあり、堅牢性の高いカメラを作る技術に長けていました。
ペンタックスはMXを開発する際にもその技術を真面目に小型化し、シャッターダイヤルをSPシリーズと同じ軍幹部に配置しました。
このことから、独自の操作系を持つOLYMPUSと、従来の一眼レフと同じ操作系をもつPENTAX MX、という図式が出来上がりました。
カメラ屋のおじさんが言うには、小型カメラの技術を一眼レフに応用したオリンパスよりも、一眼レフの技術を真面目に小型化したペンタックスの方が技術的にはすごいんだそうです。
PENTAX SPとの違い(サイズ)
続いては私の所有する同じくペンタックスのPENTAX SPと比較します。
正面
ご覧になってわかるように、ボディサイズが大幅に小さくなっています。
PENTAX MXでは特に高さが低くなっており、ほぼフィルムパトローネの高さと同じと言っても過言ではないでしょう。
これでもSPと同じ操作系となっており、シャッタースピードとフィルムカウンター、レリーズボタンも全く同じ位置に配置されています。
さらにPENTAX MXではSPから進化し、レリーズボタンにロック機構がつき、持ち運び時に誤ってレリーズしてしまうことがなくなりました。
さらに開放測光にも対応しており、レリーズボタンの半押しで露出計が動きます。
側面
続いては側面です。
こちらは高さ以外の変化はあまりありませんが、よく見るとレンズが短くなっています。
このレンズはMレンズと呼ばれ、PENTAX MXやPENTAX MEなどに合わせて小型化されたレンズシリーズになります。
小さな変化になりますが、こちらもシステムの小型化に寄与しています。
背面
最後に背面を比べましょう。
こちらもMXの背の低さが際立っています。
PENTAX MXの裏蓋には、フィルムの箱を切り取って入れておくことができます。
どのフィルムが装填されているか一目でわかるような配慮となっています。
PENTAX SPとの違い(ファインダー)
続いてPENTAX SPとPENTAX MXのファインダーを比べてみます。
PENTAX SPのファインダー
こちらがPENTAX SPのファインダーになります。
ファインダー右手に指針式の露出計があります。
マウント部にあるスイッチを入れるとレンズが絞り込まれ、ファインダー内の露出計の針が上下に動きます。
PENTAX MXのファインダー
続いてこちらがPENTAX MXのファインダーになります。
SPのものと比べて情報が増え、F値とシャッタースピードをファインダー内で確認できるようになりました。
ファインダー上部の数字が現在のF値(写真ではF1.7)を、右側のダイヤルは現在のシャッタースピード(写真では1/250)を表しています。
また、フォーカシングスクリーンが変わり、中央のスプリットスクリーンが大きくなりました。
中央に被写体がある場合はピントが合わせやすくなりましたが、そうでない場合は使いづらくなったように感じます。
露出計の電池と精度
PENTAX SPでは指針式となっていた露出計ですが、PENTAX MXの露出計はLED式となり、レリーズボタンの半押しでシャッタースピードの右側に表示されます。
PENTAX MXの露出計は、ボタン電池のLR44を二つ使います。水銀電池が指定されているPENTAX SPより入手性が高く、アダプタもいらないため進化点と言えるでしょう。
また露出計の精度ですが、CdS素子を使っていたPENTAX SPと比べ、SPG(前期型)やSPD(後期型)を採用するPENTAX MXは、精度と反応速度の両方の点で進化しています。
私は今までPENTAX SPで露出計に頼らない撮影をしていましたが、信頼できる露出計を採用したPENTAX MXになってからは露出計に頼った「楽な」撮影ができるようになりました。
まとめ
PENTAX SPは当時のライバルであったOLYMPUS OM1と比べても寸法が小さく、従来のペンタックスの一眼レフと同じ操作系を持つ優れたカメラだったようです。
それだけでなく、同じペンタックスの先輩カメラであるPENTAX SPと比べてもあらゆる点で進化しており、使いやすさに磨きがかかっています。
まだ1本目のフィルムを通して半分ほどしか使っていませんが、今から現像が楽しみです。
撮り終わって現像が終わったら、PENTAX MXとPENTAX M 50mm F1.7の作例を記事にするかもしれません。いい作例があればですが(笑)
それでは!