せぐガジェット

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【実機レビュー】ソニーα700をレビュー!Aマウントの名機!

こんにちは!

Apple&カメラ大好き大学生のせぐです!

 

前々回に触れたペンタックスのMZ-3はまだ試し撮り中なので,今回は別のカメラを紹介します!

 

今回はなんと,今から11年前の2007年に発売された一眼レフカメラα700」を紹介します!

 

α700斜め

 

ミノルタの撤退と「α700」の誕生

 

α700正面

 

この「α700」は,ソニーミノルタから引き継いだAマウントを採用するデジタル一眼レフカメラです。2006年の初め,AF一眼の先駆者であったミノルタ(現在のコニカミノルタ)はカメラ事業からの撤退を発表し,Aマウント一眼レフ「α」の事業をソニーが継承することが発表されました。その翌年の2007年,ソニーはこの「α700」というハイアマチュア向けのカメラを発売しました。この「α700」はソニーが発売した最初のハイアマチュア向けモデルであり,従来のミノルタファンの期待に応えるように発売されました。本機種はコニカミノルタの技術者とソニーの技術者が協力して開発されたとも言われており,これはボディの構造や使い勝手からも推測できます。

 

この「α700」を発売したのちにソニーは「α900」というフルサイズのデジタル一眼レフカメラを発売します。こちらも使い勝手は「α700」と似ており,ミノルタの技術者が関与していることを感じさせます。しかしそれ以降のソニーは迷走を続け,Aマウントのシェアを縮めることとなります。というのも「α900」以降に発売されたボディは全てEVF(電子ビューファインダー)を搭載し,OVF(光学ビューファインダー)搭載のボディは消えてしまったのです。ミノルタお家芸であった明るく見やすいファインダーを捨ててしまったんですね。これによりソニーはAマウントから他マウントへの流出を生むことになりました。

 

またソニーはEマウントというミラーレスカメラ向けのマウントを開発し,このマウントは「α7」で大成功しました。しかしその一方で,従来からあるAマウントカメラは少しずつシェアを落とし,現在では2機種しか販売されていません。しかもその2機種はEVFを搭載することや処理が遅く起動に時間がかかるなど,お世辞にも完成度が高い(使いやすい)とは言えません。これによりファンが減ったであろうことは想像に難くありません。

 

そんなわけで今回紹介する「α700」は,幸か不幸かソニーが作った最初で最後のOVF(光学ファインダー)搭載ハイアマチュア向けAPS-C一眼レフカメラになってしまったのです。

 

α700」の最高の使い心地

 

それではミノルタの技術者も関与したとされる「α700」の使い心地はどうかというと,それはもう最高です。握った瞬間にしっくりくるグリップ形状,あってほしい位置にぴったり配置されたボタンやダイヤル。最近のカメラと違い一つの操作に対して一つの操作系が与えられています。フラッグシップ機ではそうなっていても,ハイアマチュア向けモデルでこの操作系が与えられているのは賞賛に値するでしょう。最近のソニーはそこんとこに気付いてほしい

 

α700軍幹部とグリップ

 

写真の通り,軍幹部には「WB」「ISO」「DRIVE」ボタンが並んでおり,液晶画面右横のマルチダイヤルセレクターと組み合わせることでファインダーを覗きながら設定を変えることができます。マニュアルモードでは前後のダイヤルで「SS」と「絞り」を変えることができるため,「ISO」ボタンと組み合わせることでファインダーから目を離さずに露出を変えることができます。また「プログラムオート」や「絞り優先オート」「SS優先オート」で撮るときに後ろのダイヤルで露出補正できるように設定を変えられます。このように,どんなモードで撮るときにもファインダーから目を離さずに撮影できるような操作系となっています。写真を撮るのが目的のカメラでは大切なことですが,最近の機種(特に入門機)では意外と軽視されがちな点です。

 

また,先ほども言いましたがグリップは最高です。「α700」はグリップの形が独特でグリップ下部が絞られています。これにより手に吸い付くようなグリップが得られ,ちょうど人差し指がシャッターボタンにかかるようにできています。この自然なフィーリングは「最高」としか形容できません。マグネシウム合金で形成されたボディの剛性感も素晴らしく,撮影時の安心感はプラ製カメラとは対照的です。

 

α700背面

 

背面はいたって普通のデジタル一眼レフカメラの趣ですが,特筆すべきは右下の「手ブレ補正スイッチ」でしょうか。この「α700」にはセンサーを動かすことでブレを低減するボディ内手ブレ補正がついています。最近のソニーのカメラなら「手ブレ補正」のオンオフは,設定の奥深い階層に眠っています。しかし手ブレ補正を切り替える度に設定の奥まで十字キーやスティックを操作するのは非効率的です。特に,三脚などでカメラを固定して撮影する際には誤動作を防ぐために手ブレ補正はオフにします。その点,手ブレ補正のスイッチがついている本機種では気軽に切り替えられ,三脚と手持ちの両方を使う場面で重宝します。

 

α700」の「絵作り」

 

しかし最高の使い勝手を誇るこの「α700」にも好きになれない点があります。それは「絵作り」です。フィルムからデジタルへの転換期である2000年代にはCCDセンサーが隆盛を誇っており,CMOSセンサーは画質が悪いと言われていました。今ではほとんどのカメラがCMOSセンサー搭載となりましたが,当時はまだ出たばかりで技術が発達してなかったんですね。この「α700」は当時最新のCMOSセンサー「Exmore」を搭載していました。現在のソニーのカメラやXperiaでも利用されている「Exmore」の源流はこのカメラだったのです。

 

そんなCMOSセンサーを搭載した本機種の色味は「色が薄い」と形容することができます。デジタル一眼レフなので設定を変えれば彩度は上げられます。しかし原色をうまく捉えることができないのです。「一枚のベール越しに撮っている感覚」とでも言えるでしょうか。色の出方が優しすぎて好きになれないのです。逆にふんわりしたポートレートの撮りたい場合は向いているかもしれませんが,人の肌を階調豊かに描写するということもなさそうなので,RAW現像するか諦めるかという選択になりそうです。

 

恐らくこれはフジフイルムの色味に慣れてしまったからだと思いますが,いまいちインパクトに欠けるというか,撮ってて納得できないのです。なので申し訳ありませんが作例として紹介できる写真もありません。

 

発売から時間の経っているカメラなので調べれば作例は多く出てくると思います。あまりいないとは思いますが興味のある方はググって見てください。

 

おすすめ度

 

正直言ってこのカメラはそこまでおすすめできません。

 

グリップを握って写真を撮るときは最高のフィーリングを愉しむことができます。しかし家に帰って写真をPCに取り込むと写真の色味に「ん?」となります。「自分が見た景色はもっと美しかったのになぁ」と思ったことは一度ではありません。もっと設定を詰めたりRAW現像すれば変わるでしょうが,そこまでするなら「フジフイルムのカメラを使おう」というのが現在の状況です。

 

しかしながらミノルタ時代のレンズ資産が使えてOVFを搭載したデジタル一眼レフは他にはフルサイズの「α900」くらいなので,ミノルタの資産がある方は大切になさってほしいと思います。現在の私はまさにこの状況ですが,ミノルタのAFレンズはフィルム用に割り切ってデジタルはフジXマウントに完全移行しようかと考えています。ちなみにフィルムはミノルタの「α707si」というカメラを愛用しているので,こちらもそのうち紹介しようと思っています。

追記

α707siについても書きました。

segu-gadget.hatenablog.jp

 

まとめ

 

今回はいまさら感の溢れる「α700」の使い勝手や絵作りをレビューしました。

 

まあこれから買う人なんてそうそういないでしょうが,ソニーのAマウントの歴史や現在についても少し語ったので誰かの役に立てるといいなと思います。

 

この操作感のまま最新のセンサーと画像エンジンのカメラが出たらいくらでも払いたいと思うんですが,今のソニーの様子からするとあり得ないですね。

 

ということで諦めながら今回のレビューを終わります。

手元のα700どうしようかなぁ...

 

それでは!

 

ソニー SONY デジタル一眼レフ α700 ボディ DSLR-A700

ソニー SONY デジタル一眼レフ α700 ボディ DSLR-A700

 
ソニー SONY デジタル一眼レフ α900 ボディ DSLR-A900

ソニー SONY デジタル一眼レフ α900 ボディ DSLR-A900